*「あー、寒い寒い。 夜になると冷えるなー」剣の手入れをしていたウンは、そう言いながら室内に入ってきたドンスをちらりと見やった。「遅かったな」「あぁ。 サモとチョリプは? 」「まだ出掛けてる」「そっか」答えた後すぐに剣の手入れに戻ったウンだったが、急に後ろから抱き締められた。「ウンはあったかいな」「・・・危ないから離れろ」「嫌だ」子供の様に拒否するドンスに負け、仕方なく手入れを中断して剣を鞘に納める。それを後ろから見ていたのか、ドンスは更に強く抱き締めてくる。「ドンス、痛いぞ。 ・・・それに酒くさい」そう悪態をついたものの、実の所こうやってドンスに抱き締められるのは嫌いじゃなかった。嫌いじゃないどころか、むしろ心地好いとさえ思う。一向に離れる気配の無いドンスに苦笑しながらも、ウンは目を閉じ、しばらくその抱擁に身を任せる。鼻をくすぐるドンスの匂いと、心地よく広がる彼の体温。 それで、唐突に昨夜の情事を思い出してしまった。慈しむ様に何度も繰り返される口づけと、優しく肌の上を滑る手、そして熱い楔を打ち込まれた自分の身体。一体何を思い出しているんだ俺は、と少し頬を赤く染めたウンは、身じろぎした。珍しく心拍数が上がっていくのと同時に、小さな欲望が込み上げてくる。――キス、したい。もしかしてドンスの方からしてくれるかな、とうっすら思ったが、先ほどから身動きもしない相手からは今日はそんな気配は感じられない。「ドンス・・・」今この時だけは自分を本気で湯たんぽか何かだと思っているはずのドンスを、誘うべく名前を呼んだ。しかし何の反応もないのだ。「ドンス・・・? 」さすがに不審に思い、腕の中で体を反転させて振り向いたウン。その膝に、ドンスが倒れ込んできた。「!?」一瞬驚いたウンだったが、すぐに分かった。ドンスのやつ、寝ている。普段はこちらの都合も場所もあまり構わず求めてくるくせに、こう言うときに限って!ウンは上体を折り曲げ、倒れ込んできたまま膝枕状態で眠るドンスの顔を覗き込んだ。酔っているせいなのか、疲れているのか、起きる様子は無い。あまりに気持ち良さそうに眠るその顔を見てウンは静かにため息をつき、それから苦笑する。そして眠るドンスの頬にそっと口づけたのだった。[君 の 体 温]KẾT THÚC.
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